なんか2日連続ノーベル賞受賞みたいで、すごいですね。
それはさておいて、そんなノーベル賞ラッシュの何日か前に読んだ日経ビズプラスのコラム。
ななめ読みした段階で「なんてセンスのないコラムだ」と思いました。
いずれにしても、これまでの日本人のノーベル賞受賞者と特許出願との間に強い相関関係はなさそうだ。しかし、冒頭にも記載したとおり、研究成果には特許になる発明が潜在しているケースが多い。ノーベル賞級の論文であればなおさらである。適切な知財保護がなされているか気になるところだ。
とはなんとも失笑せずにいられない。だって「中間子論」関係の特許を律儀に調べてるんですよ。
たとえば実際著者の調べた「日本人ノーベル賞受賞者(自然科学3賞)の国内特許出願件数」を見ても、受賞者は可能性のあるものについては、ひとつひとつの内容を確認しないと何とも言えないが、単純な件数のみ考慮すれば、むしろ逆にきちんと適宜特許を取得しているように見える。
さらに「これまでのノーベル賞受賞者を国別に集計すると、図表1のように、米国が1位で、英国、ドイツなどのヨーロッパ勢が続き、日本は10番目という状況である。」というならば、米国や英国、ヨーロッパ諸国で同様の受賞者と特許出願件数を調べてみればいいではないか。
彼には認識できていないと思われるその”傾向”は、おそらく日本とさほど変わらないのでなかろうか。
「知財保護の側面から、研究者を取り巻く環境整備を」という主張はもっともだが、そのことと「ノーベル賞と知財?論文か特許」というテーマはピントがずれてるといえるだろうし、どこかに「ノーベル賞級の発見 -> 偉大な発明につながる」といったような短絡的でなおかつ視野の狭い価値観がいたるところで垣間見えることなどからも、正直この手の話に限って言えば教養の低さを感じざるを得ない。
仮に物理を勉強したとしても、南部さんの「隠れた」、「まだまだ隠れている」貢献度には絶対気がつくことができないタイプの人なのであろう。おそらく。