「Web中心生活へ ?クラウド生活には欠かせない技術?? 」
テレビの故障と日経新聞のやるせなさ、、
そんなきっかけから始まった、脱既存メディア、ペーパーレス生活。
なんとなくMy yahooで使い始めていたRSSリーダーをGoogle Readerに変えて、これが電車でもどこでも読めるようにiPhoneを購入。偶然というか自然の流れというか、昨年あたりから「クラウド・コンピューティング」なる言葉が出回るようになり、それとなく興味を持ち出し、いつのまにか感化され、気がついてみれば、メールもニュースも写真も、雲の向こう側にある生活に移行していました。
居心地は言うまでもなくいいです。
図1:いつも使っているブラウザ(Google Chrome)とタブ
「タグをつける習慣のきっかけ ?膨大な情報を前にして? 」
というわけで、テレビがなくなり、インターネット中心生活に移行、っていうとなんか引きこもりみたいだけど、(まあそれならそれでよいが)、iPhoneやネットブックを購入し、家でもどっしりと腰をすえるデスクトップPCを買い、そんな生活をしてはや1年以上、とにかく情報の入り方が著しく変わったわけです。
間違いなく今までとは比べ物にならないくらい入ってくる情報量が増えました。
これが結構半端ないわけです。
そこでこれからますます考えていかなければならないのは、情報の整理。
まさに「タグ」なり「リスト」なり、これを最大限に活用して、あふれまくる情報を処理していかなければいけない。
タグをつけるという習慣はこれまではまったくなかったです。
今年の3月に、自信のブログ、旅行中心のブログを一新しよう、ということで、もともと持っていた、独自ドメインを再活用、ブログツールもMovable TypeからWordPressへ、そこで導入した、タグ関連のプラグイン、これが僕に「タグをつける」という習慣をつけさせたと思っています。
「仕事からの発想 ?膨大な情報が与える影響を計量化するには? 」
以前からずっといっていて未だに実現・整理できていない、「経済ニュースと株価」の関連性調査、これもまずはタグをつけるところから話が始まるのです。トムソン・ロイターなどは自動的にニュースにタグをふる機能をマサチューセッツにあるベンチャー企業を買収して始めているそうで、以前、会社でこのタグデータを利用して、金融経済の計量分析を行っているというレポートをいただきましたが、やっぱり理解ができないわけです。
理解、というより、実感がないというか、やはり自分なりの使い方、捉え方をしていかないと、どう使っていいものかイメージがわいてこないのでしょう。
だから、とにかく情報整理のためにはもはや「タグ」付けを徹底しないといけない。そう思うようになりました。
「記憶力の補完機能として ?無理をしないで記憶を残す? 」
自分でいうのは何ですが、割と記憶力もいい方だし、複数のタスクなり情報・概念を同時並行的に理解し推進する力はまあまああるほうだとは思っていますが、そうはいっても30歳を過ぎて脳の衰えも感じざるを得ないところではあります。
しかし、昔から心がけているのは、勉強も暗記もそうですが、頭に負荷を過度にかけないこと。特に暗記に関しては、終始リラックスすることを心がけていました。そもそもせっかくやるんだから、「楽しまなきゃ」と気楽に自然に覚えていこう、そんなスタンスでずっと生きてきました。
なので、今回新しい「壁」となっている非常に多くの情報を処理するということに関しても、やはり「リラックス、リラックス?」なスタイルで臨みたいわけです。
ひとつ、そのいいきっかけとなったのが、twitterです。
東京マラソンの実況をきっかけにはじめたのですが、当時の主目的「自己表現簡易blog」ではもはやなくなってきています。リアルタイム性を強く意識した情報収集と自分の記憶の変わりに使っています。
初めてはや7ヶ月あまり。気がつけばフォロー数は700人にも及ぼうとしています。到底全部のTLを追うことは不可能になっています。
図2:iPhone上でよく使うTwitterクライアント » Tweetie »の画面
それからここから新しく学んだ「フィロソフィー」もあります。それは、とにかく今見ているものTimeLine(タイムライン)を中心に意識し、それ以前に発信されて「大量」の情報を、必要以上にさかのぼって見ない、見なくてもよい、このある種の度胸といいますかスタンスがついてきました。
あわせて「ひとつひとつの情報の詳細に過度に立ち居らない」、「ひとつひとつ軽く流す」こんなスタンスでもいいのではないか、そういう思いが徐々に強くなってきました。
これらが、例えばGoogle Reader の登録フィードのスタンスにも現れてきました。僕のReaderには、ものすごい数のサイトが登録されています。正直、ほとんどの記事が未読でして、一番読んでいるニュースサイトの「Reutersトップニュース」ですら、30%ちょっとの既読率です。
図3:Google Readerの画面
でも、これでよいと思っています。とにかく見て、気になったものは、とりあえずスターをつけて、共有化しておく、ほんとはここでタグをつけることができるとよいのですが、とにかく気にしないで、今見た情報をなんらかの方法で気軽に記録していく。
そうすることで、昔から続けている、「気楽にものを覚える」といったスタンスを継承でき、それが結果的に数多くの情報を僕の実際のあるいは仮想的なメモリに残せるのでは、そんな風に思っているわけです。
「タグをふりはじめて ?どのようなツールをつかっているのか? 」
徐々に慣れてきています。とりあえず当初より貫いているスタンス「ふるときはあまりあれこれ考えずに直感的に」を貫いて、ほんとに気楽に無計画に振っています。
そしてだいぶタグをふったデータのストックができてきました。
意外にもわりとすぐほしかった情報を引き出せて、テーマごとに整理できるんです。ToDoリストはもちろんのこと、無意識にタスクブレイクして、それを整理して、スケジューリングするとか、びっくりするくらい効率的にできるようになり、このテクニックが、結構仕事でも役立ってくるようになりました。
まあ例は仕事でないのですが、これにより実は、EvernoteやFlickrといったサービスを今まで以上に活用できるようになったのです。
図4:Evernoteのスクリーンショット(iPhone)
クラウド的なツールではもうかなりおなじみのevernote、仕事的なものから、オケ関係、日記のネタ帳、そしてこの最近では「ウェブクリップ」と、ウェブ中心生活にはもはや欠かせなくなってきました。
iPhoneのホーム画面上も、このように「よく使うゾーン」に登録しています。
図5:iPhone のホーム画面のスクリーンショット
でも、最近になって「ローカルアプリ」を知ったというくらいの初心者でもあります。
「膨大な写真の管理 ?フォルダー管理とは発想が違うもの? 」
もうすでに何度もヨーロッパ旅行を繰り返し、手元には数えきらないの写真があります。また、同様に旅行関係のコンテンツ(ブログなど)もあふれかえっています。これらをどう管理するのかも、大きな問題です。
特に写真に関して最近のスタンスを述べてみます。
今、一番使おうとしているオンラインストレージはflickr。
はじめは自由度がありすぎて僕には使いこなすことができませんでした。ということでローカルアプリがとてもよくできているPicasaを愛用していました。
図6:Picasaのローカルソフト
Picasaというのは、まず「フォルダー」を新規作成してからそこにデータをいれる、ということで、今までの自分にとって古い既存の処理概念をそのまま生かせました。(注:もちろんPicasaにもタグ機能はありますが、正直それを使う必要性はなかったです。)
でもflickrはとりあえずデータをアップロードし、フォルダーはそのあとに作る、というイメージ。つまり今まではアップロード時にフォルダーがないと要するにたった一つのフォルダーにデータをとりあえず入れるような感覚で、どう整理していいのか想像ができませんでした。
図7:Flickrアップローダー
でもタグをすることで、実は、ひとつのファイルに複数の「フォルダー属性」を持たせることができるようになるわけです。
先にフォルダーありきという考え方だと、どうしてもひとつのファイルが存在する場所は、ひとつのフォルダーという物理的制約から逃れられません。
でもflickrのように、とりあえずデータを溜め込んで、フォルダー属性は用途に応じて横断的にもたせる、ということが自然とできるようになるわけです。
これに慣れてくると、むしろタグを自由に振って、複数属性を簡単に持たせられるflickr的な使い方のほうが、はじめにフォルダーを作ってからそこへデータをアップロードするというPicasaよりも使いやすいと思えてくるようになるわけです。
それとあわせて、実はiPhone上ではflickrのほうがずっと見やすく使いやすい、ということもわかってきました。
図8:iPhoneでのflickr公式アプリ スクリーンショット
これが、タグというものを活用できるようになった一つの例だと思います。
ちなみに写真アプリについては、今後は中心はflickrになるとはいえ、Picasaもそのローカルアプリが非常によくできていますので、並行して使っていこうと思います。従来的な「フォルダー管理」も十分に使えるものですからね。flickrは、残念ながらローカルアプリ、ファイルアップローダーがあまり使い勝手よくないんですよね…。
「最後に ?タグ付けによるデータ処理は高次元空間のイメージと似てるかも? 」
タグを振り続けて思ったのが、そう多次元的な情報管理なんですよね。ひとつの情報、データに複数の軸を設定し都合に応じて見る軸を変化させる。
これって、高次元空間をイメージする感覚と非常に似ている気がします。だから、はじめは「タグ」って戸惑うものだなあって気もします。
もちろん僕たちは3次元(時間を入れると4次元だが)に住んでおり、人間的に身についている空間認知能力は、3次元しか対応していないけど、ちょっとした見方をかえる、というか慣れで、例えば直線を1次元でなく高次元と仮想的に捉えることで、高次元をイメージすることが、「なんとなく」できます。
これは言うまでもなく、自分が学生の頃に勉強していたストリング理論のおかげなんです。こうしてせっかく身に着けたものの見方を、今後の多次元的な情報管理に生かせていければなあと思います。