この3年余りは車による旅行で、ヨーロッパの多くのエリアに足を運びましたが、まだまだ行きとどいていないところもあります。
とりあえず列挙してみると、西ヨーロッパでは、
- アンデルヌ周辺(ドイツ西部からベネルクス東部)
- シュヴァルツヴァルト(ドイツ南西部)
- ピレネー・ラングドック(フランス南西部)
- スペイン北部およびポルトガル北部
- イタリア北部、スイス南部およびオーストリアチロル地方
その他、イギリス(ロンドン以外)、ヨーロッパ南東部、ポーランド北部およびバルト3国があります。
さてさて、「[W:リヒテンシュタイン]」は、上記のうち「イタリア北部、スイス南部およびオーストリアチロル地方」に含まれます。ここ、特に興味を持っている国なんですよね。
以前テレビでこのリヒテンシュタイン家の保有する美術品が素晴らしく、それがこの国で見ることができるということを聞いたことがあるような気がして、それが興味を深くするきっかけだったのですが、どんな国かなとwikipediaを見てみると、ほんと面白い国なんだなと改めて思わされました。
ハプスブルク家の重臣で、国外に多くの資産を持っているため、国の税収等に頼らず自分たちの家を維持できる、それゆえ単なる象徴的な君主ではなく絶対的な権力をもった君主として君臨でき、世襲にて後継ぎ=国家元首を決めることができるとか。もちろん現代ですから法治国家であり現代的な国民の権利や自由などは、EU諸国と同様に認められているそうです。
で、wikipediaをずっと読んでいくと、こんなことが書いてあります。
なお、リヒテンシュタイン侯国は現在でもチェコ共和国とスロヴァキア共和国を国家として承認するのを拒否している。1945年、チェコスロヴァキア共和国は領内のドイツ系及びハンガリー系住民のチェコスロヴァキア国籍を剥奪のうえ、私有財産を没収した(ベネシュ布告)。チェコに領地を持っていたリヒテンシュタイン侯国はこの措置を違法行為とみなし、同国を国家承認しなかった。この措置が現在でも撤回されていないのである。他方、チェコ共和国とスロヴァキア共和国もリヒテンシュタイン侯国を国家承認していない。
これは初めて知りました。これを読んで思い出したのが、今回の旅行で訪れたチェコの世界遺産「[W:レドニツェとヴァルチツェの文化的景観] – (1996年、文化遺産) 」。
旅行中の日記でも紹介したのですが、とても立派な遺産にも関わらず、あまりメンテナンスがされていないしそんなに観光地として栄えているようにも思えないさみしさを感じました。
でも、どうもこうしたチェコとの関係を知ると、それが多少なりとも影響しているのかなあ、なんて思ってきますね。ここもおそらく共産主義政権になるときに没収されてしまったエリアなのかなあ、とか。
いずれにしても、たまたまネットで発見して急きょ訪れたレドニツェ。ちょっと工事が多すぎてガッカリしたところではありましたが、今振り返ってみればいい歴史や社会の勉強ができたのかなと思います。
ちなみに、この日行ったリトミシェルとレドニツェは、この春の改定でようやく地球の歩き方 チェコ/ポーランド/スロヴァキア 2009~2010に反映されてました。ちょうど出発直前に買おうかと書店に行ったのですが、どこへいってもこれがない。まさに4月末に改修中だったようです。ちょっと遅いよね…。