クラサマスケーキ

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先週末だったか、世界的に展開する、1万人以上のリストラを計画している某メーカーで研究職をされている、前の前の会社の先輩に2年ぶりくらいに電話をした。

週末暇ですか、飲みにでもって誘おうとしたら、いま福岡に赴任されているようでさすがに無理とのこと。かくいう私も同じくリストラを行っている(行っていた?)会社に属するので、リストラ会社どおし飲み会とかネタにして久しぶりに語り合おうと思っていただけに残念。でも来月からはこっちに戻ってきてしばらく単身になるようなので、また遊んでくれと言われたのでまたその時にでも。

それにしても本当に不景気を感じる。思えば僕が社会人になった2001年もITバブルが崩壊、数年前には相次ぐ金融機関の破たん、就職氷河期とも騒がれた時期だったけれど、当時はまったく浮世離れした感覚の持ち主だったがゆえにあまり不景気というものを実感しなかった。が、今は違う。本当に「仕事」がない、頓挫した状態が続いている。

今日の練習後に現在就職活動中の友人とちょっと話していたけれど、今、転職マーケット、具体的な業界で言うと、金融、特に投資銀行、投資ファンド、あるいは戦略系コンサル業界には求職者が殺到、昨年比で言うと7倍くらい増加しているらしい。しかし、そもそも求人自体が昨年比の10%ということみたいなので、単純計算で倍率が70倍くらいにまで膨れ上がったということになる。

日経新聞とかでも欧米系投資銀行(証券会社)のリストラが日本にも波及して、1?2割くらいの人がリストラされたって書いてあったけれど、その友人の話を聞くとなおさら実感がわいてきた。外資系金融機関でよくある「朝出社したら机がなくなっていた」とか「PCからログインできなくなっていた」なんて話はすぐ目の前にあるそうだ。で、そういう人が午後にも転職エージェント会社の門をたたくらしい。エージェント側としてもなかなか求人はないは、人はあふれるは、で商売あがったりらしい。

所詮自分もいる業界は、手数料収入でしか食っていけない体質。収入が取引金額に依存するから、収益が株価にものすごく比例、という単純な構造。さらに株が下がれば全体的にリスク資産への投資はぐっと減るから、いや減っているから下がるとも言えるが、なんだかんだいって株価水準は、リスクマネーへの流出入のバロメーターだから、これが下がってしまうと身も蓋もない。

いわゆる市場が収縮、信用収縮なんてことばが新聞ででてるけれど、要するに貸し渋りが起こって悪循環に陥る。まあ、この数年間、銀行は不動産証券化ビジネスに首突っ込んでたからね。その数年前にベンチャーとはいえこうした不動産ファンド業界にいたけれども、確かに当時は、「金借りてくれ?」と飛び込んでくる銀行マンはいっぱいいた。

確かに証券化というのは不思議な、なんとなくおかしいなって思う商売だったけれど、こんな事態になって思えば、確かにおかしかった。

「イグジット」、要するにプロジェクト終了後、投資資産を「誰か」に売りつけるわけだけど、このシナリオが実に楽観的、あいまいというか…。確かにこのイグジットシナリオを明確にして説得しないと金を貸さない金融機関もあったけれど、それでも数年前特に2004年の駆け出し時は、本当に楽観的になりすぎるくらい甘く見て貸し出していたと思う。

実際、僕がいたような小さなファンド会社は会社の信用力がないがゆえ、大手よりもより一層、イグジットへの信頼度を強調しないと融資・ノンリコースローンが下りなかった。そもそも当時全く経験のなかった担当者の僕自身でさえ「こんなイグジットはありえない」って思っているわけだから、融資なんて当然通るわけない。それでも、営業は何が何でも融資できるよう、審査部を説得し続ける。

そんな経験をしているので、なんか今回起こった一連のショックは、必然的な結果だったなあとつくづく思うわけである。早く足を洗った(この表現適切か??)のは、よかったのかもしれない。そして、当初希望していた投資ファンドへの転職が失敗したのも、それはそれでよかったのかもしれない。

そしてそして、円高も来ている。これも本当に怖い。ドルが独り負けなのかな、例の利下げのアナウンスからドルは売られてるし。逆にこれまで大暴落していたユーロが急激に戻っている。これは不幸中の幸いとなるのか、はわからないけれど、少なくとも円独り勝ちではないので、まあヨーロッパ旅行好きとしてはちょっと複雑だが、日本経済ないし株価的にはちょっとましなのかもしれない。

株価は会社の収益つまりは僕のボーナスと直結する話だから。

さてさて。

なにを言いたかったのか思い出した。

これからのキャリアプランだ。正直、つまづいているといえるであろう。やはり楽観的なキャリアパスを描けたのは、好景気だったせいであろう。今、思うようにプランが描けない。これは自分でどういう仕事をすれば収益につながるのか、が示せないからだと思う。こういうときになにか底時からが発揮できるといいんだけど、それが平凡である証拠なのかもしれない。

最近、ちょっと「年齢的」にあせりも感じる。そろそろ今の年収を維持あるいはそれ以上を目指すならば、ある程度の責任を負った職務を担当するしかない。しかし、この状況下では、そうした役職につき、成果を上げら得るかというとそういった自身もない。

うちは幸か不幸か、いや幸いといえるだろう、日系の金融機関(まあ親は外資なのだが…)で、リストラも特定の年齢以上でないと対象でないため、自分自身の雇用は確保できているが、そんなことよりも思い通りのキャリアパスが描けずにただ年を重ねて30代はなかごろになるのが不安で仕方がない。

社会人になって、というか生まれて初めて、自分ではどうしようもない環境でとにかく「我慢」が求められているのかもしれない。

さて、明日は会社で何をしようかな。

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